なまけもの通信

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ポジティブ馬鹿な”なまけもの”がある日突然難病に。闘病というよりかは共病というスタイル。

重症筋無力症ってどんな病気? ~検査編~

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こんにちは、なまけものです。

前回に引き続き、今回は重症筋無力症が疑われた場合に行われる検査についてお話していきたいと思います。

前回の記事はこちら

namakemono7.hatenablog.com

  

ではさっそくお話していきたいと思います。

  

どんな検査をするの?

血液検査

 重症筋無力症(MG)の原因となるアセチルコリン受容体(AChR)抗体抗マスク(MuSK)抗体等の自己抗体が検出されるかを調べます。

 前回もお話したように本邦では、MG全体の80~85%が抗AChR抗体陽性5~10%が抗MuSK抗体陽性となっています。

  

眼瞼の易疲労性試験

 顔は正面のまま、眼だけで上の方向を見続け反応をみる検査です。最大1分間続け、瞼が下がる症状(眼瞼下垂)が出現又は増悪した場合は陽性となります。

  

アイスパック試験

 冷凍したアイスパックをガーゼ等で包み、3~5分間上瞼に強く押し付け反応をみる検査です。これにより、瞼が下がる症状(眼瞼下垂)が改善した場合は陽性となります。

  

エドロフォニウム(テンシロン)試験

 神経と筋肉の間の刺激の伝達を改善させる薬剤(塩酸エドロフォニウム)を静脈注射して反応をみる検査です。眼や全身の症状が改善された場合は陽性となります。

  

低頻度反復刺激誘発筋電図

 背中にある筋肉や手のひらや指の筋肉などに電極を置いて反復刺激を与えながら得られる波形を観察する検査です。刺激が与えられると意識していないのに勝手に筋肉が反応します。勝手に体が動く感覚にとてもびっくりしました(゜-゜)  

 

単線維筋電図

 前頭部にある筋肉や眼の周りにある筋肉、手や腕の筋肉などに電極を置いて得られる波形を観察する検査です。感度は高いものの普及が不十分な検査でもあります。実際になまけものもこの検査は行っていません。

  

以上のような詳細な検査を行い、検査所見や自覚症状、他の病気との鑑別により診断が確定されます。

  

また、MGが疑われた場合、合併症の有無も確認する必要があるため、以下のような検査も行っていきます。

甲状腺機能検査

 甲状腺機能亢進症などの甲状腺の病気を合併することがあるため、血液検査等で甲状腺機能を確認します。甲状腺の病気が発見された場合は、同時に甲状腺の機能異常の治療を行います。

胸腺や胸腺腫の検査

 胸部レントゲンやCT、MRI、PET-CTなどの画像検査によって、胸腺の状態を観察します。胸腺過形成や胸腺腫がある場合には、胸腺(腫)摘除が考慮されます。

  

もっと詳しく知りたいという方はぜひこちらを覗いてみてください。

www.jbpo.or.jp

  

このように沢山の検査を行って、診断に役立てます。

1つ注意しておきたいのは、重症筋無力症だからといってこれら全ての検査で陽性になる訳ではありません

特に自己抗体が陰性の場合、重症筋無力症の診断はしばしば難しく、MGと診断されずに適切な治療を受けられない患者さんが存在していることが考えられます。

なまけものは自己抗体が陰性でしたが、早期に診断してもらえたおかげで今があります

初めて受診した日にこのままだとクリーゼ(呼吸困難)を起こす可能性が高いから今すぐ入院して治療を開始する必要があると言われ、すぐに入院・診断・治療開始となりました。

あのまま我慢して無理して仕事を続けていたら...と思うとゾッとします。

体調不良が続いている、何か体がおかしい、とにかく辛い等、体に異変を感じている方はどうか早めに病院を受診してください

MGに限らず全ての病に悩める方が早期に正確な診断が行われることを心から願っています

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

また別の記事でもお会いできたら嬉しいです。

  

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